アメリカン・ビューティ(American Beauty)
監督:サム・メンデス
出演:ケビン・スペイシー、アネット・ベニング
 
 
 アカデミー賞5部門で受賞作品。見終わってもストーリーがよくわからん。いちおう家庭崩壊の映画らしい。まあストーリーを見ようとしてないけど。でも良い映画だぁ。なんといってもケビン・スペイシーがいい。
 最初のシャワーのシーン、アスパラガスを取るシーン、奥さんと口論するシーン、一挙手一投足がスバラシイ。あのためがいい。深刻さが無いところがいい。不動産王も奥さんもスペイシーもみんな戯画的でそこがいいなぁ。
 家庭崩壊し、みんなバラバラになるのだが出演者全員がみんな脳天気っぽいためぜんぜん悲劇的でなく、結果として美だけが浮き彫りになる。美を追った娘が幸せをつかむ・・・。
 家庭崩壊も死もまた美である。
 いいのが隣にすむ撮影マニアにしてヤクの売人の高校生、というかそのとってるビデオだ。ゆらゆら飛び回るビニール袋、ゆらゆらゆらゆら・・・。寒々しい光景(=アメリカ)の中にゴミのビニール袋が浮遊(=家庭崩壊?)する、しかしそれがなんとも美しい。
 これがアメリカン・ビューティなのだろうとおもう。死や家庭崩壊を短絡的に悲劇と結びつけるべきでない。
 これ書いてからあとで思い出したのだが、ヒッピー音楽の代表的バンド、グレイトフル・デッドに「アメリカン・ビューティ」ってのがあったな・・・。なんか「アメリカン・ビューティ」という語には色々意味があるのかも。
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