スタンド・バイ・ミー(1986/米)
監督 ロブ・ライナー
出演 ウィル・ウィートン /リバー・フェニックス /コリー・フェルドマン /ジェリー・オコネル/キーファー・サザーランド
 
 
 1959年、オレゴン州の小さな町にすむ12歳の少年四人組は、行方不明になった少年が死んで野ざらしになっているという話をきく。死体を見つければ英雄になれると思った四人は親たちには内緒で死体探しの旅に出る。
 数十年後、作家になったゴーディの回想によってストーリーが進んでいく。ゴーディは文学少年で、大学アメフトのスター選手で将来を期待されていたものの数ヶ月前に死んでしまった兄(ジョン・キューザック)をもつ。クリスは兄がチンピラで、クリス自身はほんとうは頭がいいのだけれど、兄のせいもあって理解されない。テディは無鉄砲な性格で、ノルマンディ上陸作戦でたたかったものの頭がおかしくなってしまった父をほこりにおもっている。バーンは小太りで臆病者。
 少年四人組はだれもが魅力的なキャラクターで、魅力的に描かれている。顔とキャラクターが本当にピッタリという感じがする。ゴーディはとても高貴な顔立ちで繊細な心をもっていそうだし、クリスも切れる頭という感じがするし、バーンもテディもいい。
 テディも、クリスも、ゴーディもそれぞれに家族に問題を抱えて、その問題で泣くシーンがあるが、泣くごとにお互いの間の友情や理解が深まっていく様子が描かれていて、感動的である。
 とくに大きな事件はない。だが、ひとつひとつのシーンがどれも子どもの頃を思い出させる懐かしいシーンばかりだ。キャンプで夜ワクワクしてなかなか寝られなかったことや、虫の鳴き声、意味もなく友達をたたいたり、肩をくんだりしたこと。あぁ、なつかしい。
 ロックンロールの幕が開けようとしていた1959年の音楽が全編にちりばめられており、いい味をだしている。エンディングで流れるベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」がすばらしい。
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